「ヒト・モノ・カネ」が国境を越えて自由に行き交う、そんなグローバル化の時代に
私たちは生きている。グローバル化が進むと、生活にどんな影響があるのか。
モノやサービスを輸入したり、輸出したりするのが貿易。各国は主に自国の産業を
守るために、海外からの輸入品に関税をかけて、安い品物がたくさん入らないよう
にしてきた。しかし近年、グローバル化で貿易の自由化が進み、関税を撤廃する動き
が強まってきている。
グローバル化が進み、日本のTPP参加が話題です。これは関税をゼロにする取り決めで
日本など12か国が交渉中。2国間の経済連携協定よりも幅広く、世界貿易機関にかわ
る枠組みです。海外製品が安く買えたり、海外に安く製品が売れたりするメリットの
半面、海外の米や肉などが安く入ってきて日本の農産物が売れなくなる心配もでてきて
いる。
「グローバル化」
「ヒト・モノ・カネ」が国境を越えて自由に行き交い、地球規模で経済や文化などが
一体化していくこと。交通網の整備やインターネットなどの情報手段が背景にあると
される。
「環太平洋経済連携協定(TPP)」
太平洋を囲む国々の間で関税をなくすなどの貿易の自由化を行い、ともに経済発展を
目指そうという協定。関税の撤廃のほか、知的財産、投資、労働に関するルールの
変更など、非関税障壁の撤廃も目指している。
「関税」
外国から輸入した商品にかけられる税金。外国の安い商品から国内産業を守る目的など
でかけられる。それぞれの国は関税の税率を自由に決められる関税自主権を持っている
が、実際は世界貿易機関(WTO)や2国間の条約で決められる。
国と国の間で、関税を撤廃する自由貿易協定(FTA)に加え、ヒトの移動や投資などの
幅広い分野で共通ルールを作り、自由貿易を活発にしようとする協定。日本は14か国
・地域とEPAやFTAを結んでいる。欧州連合(EU)との間でも検討中。
世界レベルでの貿易の自由化を推進する組織。2001年に多角的貿易自由化交渉
(ドーハ・ラウンド)が始まったが、先進国と新興国の対立などでうまく進まず、
各国は2国間やそれぞれの地域で自由化交渉を始めた。