グローバル化による自由貿易が広がり、製品を安く作ろうと価格競争が激しくなり
日本企業も人件費の安い東南アジアや中南米に工場を作る企業が増えている。
国内工場が少なくなる産業の空洞化という問題が起きている。国境を越えて世界規模で
活躍する多国籍企業も増えている。その中には、タックスヘイブンを使って税金を逃
ている企業もある。
「価格競争」
企業同士で商品の安さを競うこと。価格を安くするため、企業は人件費を抑えたり、
材料を一度にたくさん仕入れたりして、商品費用(コスト)を低くする工夫をしている
「東南アジア」
タイやベトナムなど主に中国より南に位置する地域。人件費の安さから生産拠点として
発展し、消費市場としても注目されている。特に軍事政権から民主化したミャンマーに
は日本企業の進出が目立つ。東南アジアの10か国は、ともに地域の経済発展などを
「産業の空洞化」
企業が人件費の安い東南アジアや中南米、中国などへ工場を移して現地で生産するため
国内の生産力が低くなり、雇用問題などが起きていること。日本では近年、自動車や
電子機器などの主要産業で海外の現地生産がさかんになってきており、産業の空洞化が
心配されている。
「多国籍企業」
活動の拠点を1つの国に置かず、世界的な規模で活躍する企業のこと、複数の国に工場
や販売店などを持っている。米国の「アップル」などが有名。
「タックスヘイブン」
法人税や所得税を免除するなどして海外から企業や資産家を呼び込んでいる国や地域。
租税回避地とも呼ばれている。カリブ海の英国領バージン諸島やケイマン諸島などが
知られている。多国籍企業には、ここに子会社などを作って税金の支払いを逃れる企業
もある。脱税などの不正の温床にもなりやすい側面もある。